卑しく下品に(Amazon.co.jp)※成年指定漫画です
「卑しく下品に」
注意:今回紹介するのは18歳未満の販売が規制されている漫画です。18歳未満の方は購入したり無闇にリンクを辿ったりしないようお願いいたします。痛い目に有っても当方では責任を負いかねます。

ハッピーバレンタイン!そんな私は毎日おやつはチロルチョコとろけるいちごです。せめてバレンタインの時は黒ごまVer.にしてくれよ!
…まあ個人的な事情は置いといて、2度目の「CJ街」クリスマスの時は「血塗られたクリスマス」で攻めて参りましたが、今回は純粋に愛の有る漫画を持ってきて参りました。但し、あまりにも愛と憎しみが深くて成年コミックを選出してみた自分に親指立ててしまいそうですが!

そんな訳で、こんな愛すべき日にピッタリくるよう、伝説の情念エロ激画家「早見純」先生が描いた近年まれに見る傑作「卑しく下品に」をご紹介致します。

さて、「早見純」という名前をこのサイトで(記事として)出したのは実は二度目になります…DJ街のVol.9、「コケシズム」の紹介でジャケ画を表示して、ちょっと物議をかもし出しちゃいましたね…
※過去記事はこちらですが、グロ耐性が低すぎる方はご注意下さいw

早見先生の経歴を簡単に説明すると…78年に少年サンデー新人賞・佳作を受賞するも、以降暫く沈黙の期間が続き(ちなみに同年同賞佳作には、かの高橋留美子も居たらしい)、83年よりエロ劇画の部門で実質的デビュー。以来90年初期までに数多くの情念的・観念的、そしてエロスとグロテスクの両方を包括したような作品を世に送り出し、7冊の単行本を発売(全て絶版)しましたが、その後突如漫画家生活を断念していました。
ところが98年頃よりエロ劇画・サブカル愛好家たちにより早見先生の作品が再評価されると共に、99年に過去の作品集が突如発売、2000年には遂に新作「復活祭」を「激しくて変」に掲載。劇画の世界に戻り、最近はエロ劇画だけでなく、ホラー漫画誌にも作品を載せるなど、マイペースながらも再び作品を描き続けているようです。

その作風は「史上最悪にエロくてグロテスクで変態的」と評価されていますが、他のいわゆる「グロ漫画家」と決定的に違うのは、その美麗なタッチと、いわゆる「グチャドロ」な感覚を視覚的ではなく、むしろ内面のトラウマに深く突き刺すような表現。乱暴さをひたすら外に向けるのではなく、内側を曝け出す?事によって「余計な気持ち悪さ」をかなり巧く表現させています。

今回紹介する「卑しく下品に」は、現在のところ掲載された作品が全て2000年の復活以降のものになっている唯一の本で、作者自身の怨念と愛と死とリアルが今まで以上に濃厚に詰め込まれた、まさに「21世紀の早見純」を知る上で欠かせないものとなっています。特に純粋に「これが愛の有る普通のセックスだ!」と高らかに宣言するような(しかし最後のページで目が点になるようなテキストが…)「君の錠に僕の鍵」、そして最後に掲載されたハードコア怨念的ストーキング「ハメ殺しの記」。この一件極端でありながら同じ「オリジン」を感じ、なおかつそのオリジンが実は「作者本人の脳内」である事を知った時の感動と恐怖…半端じゃありません。

そんな訳で、この作品はここで紹介しておきながら、「決して万人にオススメ出来ない」、しかし一度は通過してもらいたい、そんな作風なのです。勿論、激しく拒否反応を起こす方もいらっしゃるでしょう。だからといってそれを歴史から抹殺させる事は決して許される事ではない。そこに自分を嫌でも投影して、その結果新たなトラウマが植え付けられようとしても、そこから逃げる事は出来ないのだ。逆に、そこに何かしらの「価値」を見出したのならば…それでいいんじゃないかな。

最後になりますが、同じくこの本を(早見純先生の別の本の紹介がメインですが)日本テレビの深夜の映画番組にも出ておりました「日本正しい映画の見方を教える市民の会」代表・後松一枝さんが紹介していましたので、リンクを貼っておきます。願わくば、貴方の価値観に新たなる衝撃と潤いを。

日正映見会-極北情報(マンガ)「自選最低作品集 純にもぬかりはある」